飲食店に行くと、最近は外国人の方が働いていることを見かけるのも珍しくありません。実際、年々と外国人労働者の数も増えています。
しかし、「それでは自身の店舗でも雇用したい」と思っても無条件で受け入れることはできません。
どのような手続きと条件が求められるのかを見ていきます。
外国人の方を雇う為には
在留資格(ビザ)とは
よく「在留ビザ」という言葉を目にしたり、聞いたりすることがあります。厳密に言いますと、「在留ビザ」と「在留資格」は別のものです。
外国人の方が日本に滞在する場合は、目的に合わせて何等かの「在留資格」を出入国在留管理庁に申請をして取得する必要があります。
この「在留資格」のことを一般的に「在留ビザ」と呼称されることも多いですし、認知されているので使ったりします。
それでは「在留ビザ」とは何でしょうか?
「在留ビザ」は厳密にいうと「査証」のことを言います。「査証」とは、外国にある日本大使館や領事館などの在外公館で申請をしてパスポートにスタンプやシールで発給されるものを言います。
短期滞在で査証免除国を除いて必要となるものですが、海外から外国人の方を呼び寄せて雇用する場合には知っておくべき知識ですので、おさえて置いて下さい。
在留資格の種類
在留資格には次のような種類があります。
大きく分けると、就労が出来る資格と就労が出来ない資格に分かれます。
「留学」などの在留資格は原則、就労が出来ませんが、よく見かける留学生のアルバイトは資格外活動許可を取得して行っています。
外国人が飲食店で働く為の在留資格
外国人の方が飲食店で働く為には次のような在留資格を取得する必要があります。
「留学」で資格外活動許可を得る
アルバイトさんで多いのは、「留学」の資格で資格外活動許可を取得することです。この場合は学校に行きながら、原則週28時間までしか働くことが出来ません。
在留資格「技能」
中華料理・タイ料理・インド料理など専門性が高い料理店は調理人として「技能」の在留資格で雇用できます。
しかし、実務経験や料理の専門性、店舗規模に対しての人数などの制限もあり、どの店舗でも対象になるという訳ではありません。
在留資格「人文知識・国際業務」
こちらの在留資格は、マーケティングや外国人客相手の通訳などをメインに行ってもらう方を雇うときの資格です。大学などの学歴(専攻内容)であったり、その他では実務経験でも求められる水準は高いです。
基本的に研修期間などの限定的な部分を除き調理を業務内容とできませんので、多くの店舗のニーズを満たすのは難しいです。
「永住者」や「日本人(永住者)の配偶者等」
このような、いわゆる身分系の在留資格は制限なしに日本人同様に働けますので、もし外国人の方がこのような在留資格をお持ちでしたら、採用はしやすいです。
しかし離婚等で資格の根拠となる身分を失った場合は、他の在留資格への変更を余儀なく求められ、その結果、就労が難しくなる可能性もありますので注意が必要です。
新たな在留資格「特定技能」
在留資格「特定技能」が創設され2019年4月1日に施行となりました。人出不足が深刻な業種が対象となっており外食業もその中に入っています。
実務経験や学歴などは求められず、技能水準・日本語能力を測る試験の合格が必要となります。(技能実習2号を良好に修了により技能試験は免除)
受け入れる事業所も条件がありますが、もし満たせない場合は登録支援機関への委託を行うこともできます。
申請の種類
在留資格の申請にはいくつかの種類があります。
在留資格認定証明書交付申請
海外から外国人の方を招へいして雇用する場合はこちらの申請を行います。
在留資格変更許可申請
留学生を卒業後に雇う為には、店舗で働ける在留資格への変更許可が必要となります。
在留資格更新許可申請
在留期間が終了後も現在と同じ活動を行い場合は、こちらの許可が必要となります。
資格外活動許可申請
本来就労ができない資格「留学」で滞在する方をアルバイトで雇用する時には、この許可が必要となります。
その他にもいろいろと申請はありますが、飲食店と関係が深いのは上記のものとなります。
店舗拡大や、人手が欲しいが募集してもなかなか人が集まらないときは、国を挙げて進めている外国人材の採用も検討してみてはいかがでしょうか?
色々とハードルはありますが、外部のサポートを利用することにより負担の軽減も可能です。
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