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飲食店営業施設の基準

飲食店営業施設の店内装

飲食店営業を行うには保健所の許可がいります。

食品衛生法や各都道府県の条例で決められている様々な基準を満たすことが必要になります。

それらの基準の中から、このページでは店舗施設の基準を見ていきます。

場所によって求められる内容が若干変わってきますので、確認をお願いします。

※画像はイメージです。実際の基準と合わない場合もあります。

飲食店営業施設のインテリア

共通基準と特定基準

 

食品の営業許可ではよく見かけるのが、この共通基準と特定基準という言葉です。

特定というのは、飲食店営業だけに課された決まりのことです。

それでは共通とは何に共通するのでしょうか?

それは、喫茶店やケーキ屋さん、乳処理業・食肉販売業など、条例で定められた自動販売機を除く、食品関係34業種に共通する決まりのことです。

その中の一つが飲食店営業となっています。

食品を扱う業種に共通するベースとなる決まりですので、おさえておいて下さい。

手洗器

共通基準

まずは、34業種に共通する基準から見ていきましょう。

 

営業施設の構造

場所

営業施設は清潔な場所にあることが求められます。

食品を扱うので当然ですが、衛生管理ができるような措置が取られていれば認められることもあります

 

建物

鉄骨、鉄筋コンクリート、石材、木造モルタル、木造造りなど十分な耐久性を有する構造であることが必要です。

 

区画

使用目的に応じて壁、板やその他の適当なもので区画をします。

調理場と客席は仕切りが必要です。

 

面積

取扱量に応じた広さが必要です。飲食店でいいますと、仕入れたものをストック出来ないような広さはだめだという事です。

格納スペースや冷蔵庫などをキチンと設置した上で、作業がしやすい状態が理想です。

 

営業施設の床は、タイル、モルタル、コンクリート等の耐水性がある材料で、排水がしやすいように1/100か1/50の勾配をつけます。

道路の歩道とかも水はけが良くなるように、微妙に傾斜をつけている所も多いです。

清掃しやすい事も求められています。

例外として、水を使わない場所は材質の条件が緩和されますので、確認してみて下さい。

 

内壁

床から少なくても1mまで耐水性材料のステンレスや厚板で腰張りをします。

清掃がしやすい構造であることも大事です。計画時でしたら業務効率についても盛り込みましょう。

 

天井

天井と壁との隙間がなく、清掃がしやすい構造であること。

調理場の梁や配管類は天井の裏に収めるようにします。ホコリが溜まり衛生面と異物混入の恐れがあるためです。

デザイン系の店舗や古い木造の料理店などは、なかなか難しいですが、ダクトパイプと天井の間を埋めてみることや、衛生上問題が無い様な措置をとるなどして保健所と相談してみて下さい。

 

明るさ

営業施設の明るさは50ルクス以上とするこことなっています。

これは最低の照度ですので調理場などはもっと明るくなっている場合も多いです。

※飲食店営業の特定事項で客室・客席は10ルクス以上となっています。

営業施設の店内照明

JIS(日本工業規格)の基準を載せておきますので、参考にして下さい。

基本的な照明要件
【領域、作業又は活動の種類】 lx (ルクス)
ごく粗い視作業、短い訪問、倉庫 100
作業のために連続的に使用しない所 150
粗い視作業、継続的に作業する部屋(最低) 200
やや粗い視作業 300
普通の視作業 500
やや精密な視作業 750
精密な視作業 1000
非常に精密な視作業 1500
超精密な視作業 2000

 

食堂、レストラン、軽飲食店
【領域、作業又は活動の種類】 lx (ルクス)
玄関 100
サンプルケース 750
レジスタ 会計 300
帳場 500
クロークカウンター 500
待合室 200
客室 200
食卓 500
客室内の調理台 300
調理室 厨房 500
洗面所 200
便所 200
廊下 100
階段 150

出典:JIS(日本工業規格) JISZ9110 照明基準総則 抜粋

 

換気

換気には、ばい煙や蒸気等の排除設備を設けることとなっています。

ダクトフードと天井との隙間が無いように直接つけて、フード外面は垂直に設置します。

新たにダクトフード等を設置するのであれば問題はないと思いますが、古い居抜き物件とかの場合は自分でチェックすることになりますので注意して下さい。

 

周囲の構造

周囲の地面は、耐久性がある材料で舗装し、排水が良く、清掃がしやすい事が求められます。

 

ねずみ族、昆虫等の防除

営業施設はねずみや昆虫の侵入を防ぐ設備を設置します。

調理場やトイレの窓に金網や合成樹脂の網戸、排水口の目皿などがそれに該当します。

 

洗浄設備

原材料、食品や器具を洗う流しと、従業員専用の手洗器がいります。

流しは、1槽の大きさが幅45㎝×奥行36㎝×深さ18㎝以上、必要となります。※飲食店は特定基準で2槽必要です。

手洗器は幅36㎝×奥行28㎝以上となっており、固定式の消毒装置を設置します。ポンプタイプの液体せっけんを入れるタイプで構いません。

 

更衣室

調理場の外に従業員の数に合わせて更衣室や更衣箱がいります。更衣箱というのはロッカーの事です。

 

食品取扱設備

厨房の機械設備

器具等の整備と配置

取扱量に応じた機械器具や容器包装を備えます。移動が難しい機械器具は、清掃や洗浄がしやすい位置に配置します。

 

保管設備

原材料や食品、食器などをしまう戸棚が必要となります。衛生上、必ず戸が付いていなければなりませんので、購入する際は注意が必要です。

 

器具等の材質

食品に直接ふれる機械器具の材質は、耐水性で洗浄しやすく熱湯や蒸気、殺菌剤などで消毒ができるものが、求められます。

 

運搬具

必要に応じ、防虫、防塵、保冷ができる清潔な食品運搬具を備えます。

 

計器類

冷蔵、殺菌、加熱、圧搾等の設備には、見やすい箇所に温度計や圧力計を備えつけます。

必要に応じて計量器も備えつけます。飲食店の場合は、調理場と冷凍冷蔵庫に温度計をつけますので、準備して下さい。

 

給水及び汚物処理

トイレ

給水設備

給水設備は、水道水や飲用適と認められた水を豊富に供給できるものであることが必要です。

集合ビルなどで貯水槽を使用する場合は衛生上支障がない構造でなければなりません。

 

便所

トイレは調理場に影響がない構造や位置でなければなりません。

調理する場所とトイレが近すぎる場合は出入口の場所を変える等の措置が必要となることもあります。

窓は、ねずみや昆虫が侵入しないように、金網や合成樹脂製の網戸を付ける必要があります。

トイレにも手洗器と消毒装置が必要です。

 

汚物処理設備

廃棄物容器はフタ付のもので、耐水性で十分な大きさがあり清掃しやすい事が求められます。

ハエや害虫の侵入・繁殖を防ぐために、汚液や汚臭が漏れない必要があります。

 

清掃器具の格納設備

調理場専用の清掃用具と清掃用具入れが必要となります。

同じものを使い回すと汚染源から雑菌などを拡散させる恐れがありますので、別のものを用意しましょう。

 

 

特定基準

今まで見てきたのは、34業種に共通する基準でしたが、ここでは飲食店に課される基準を見ていきます。

特定基準の内容

二槽のシンク

冷蔵設備

食品を保存する、十分な大きさがある冷蔵設備が必要となります。

 

洗浄設備

洗浄槽(シンク)は2槽以上とする必要があります。1層は調理用でもう1層は洗浄槽ということになります。

食器洗浄機がついている場合は1槽にカウントされる場合がありますが、これも場所によって異なりますので、確認をして下さい。

 

客席

客室や客席には換気設備か必要となります。

明るさは10ルクス以上となることが求められます。

共通基準で50ルクス以上と書きましたが調理場は50ルクス、客席は10ルクス以上で大丈夫です。(注:10ルクス未満だと風営法上の低照度飲食店に該当するので別途許可が必要となります)

 

客用便所

飲食店は客が使用するトイレが必要となります。調理場に影響がない位置に設置して下さい。

 

営業施設の基準のまとめ

飲食店を営業する為の施設の基準を見てきましたが、安全に衛生的な運営を継続して行う為の基準です。

この基準は、場所や申請店舗の状況によっても取扱いが若干変わりますので、計画がたった時点で相談をすることが大事です。

以上長くなりましたが、必要になる部分だけ参考にして下さい。

 

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